ITを志す青少年に対する修学支援事業

2022年度の「奨学金」の募集は終了しました。

障がいのある青少年に対する修学及び就労機会創出の支援事業

2021年度の「助成金」の募集は終了しました。

情報公開

障がいのある青少年に対する修学及び 就労機会創出の支援事業

実施報告:筑波技術大学 / PEPNet-Japan オンライン授業対応パッケージと映像教材の開発

准教授
白澤 麻弓
(しらさわ まゆみ)

「障がいのある青少年に対する修学及び就労機会創出の支援事業」の第二期助成金を利用された筑波技術大学には、日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)の事務局が置かれています。PEPNet-Japan事務局員としても活躍されている、同大学障害者高等教育研究支援センター 准教授 白澤麻弓様、助教 萩原彩子様、助教 中島亜紀子様、助教 磯田恭子様、技術補佐員 吉田未来様にお話を伺いました。

学校紹介

筑波技術大学    PEPNet-Japan

日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク( PEPNet-Japan )は、聴覚障がい学生を受け入れ、積極的に支援を行ってきた大学・機関間の全国ネットワークです。

事務局は、日本で唯一の聴覚・視覚障害者のための大学である筑波技術大学に置かれ、全国の大学・機関の協力により運営されています。

時代に横たわる種々の課題に取り組むことで新たな事例やノウハウを生み出すとともに、聴覚障がい学生支援のパイオニアとして、支援が行き届いていない大学における支援体制を引き上げるために行動を起こすことを使命として活動しています。

(左から)筑波技術大学 准教授/PEPNet-Japan 事務局長 白澤麻弓 様、筑波技術大学 助教/PEPNet-Japan 事業コーディネーター 中島亜紀子 様
(左から)筑波技術大学 准教授/PEPNet-Japan 事務局長 白澤麻弓 様、
筑波技術大学 助教/PEPNet-Japan 事業コーディネーター 中島亜紀子 様
(左から)筑波技術大学 技術補佐員/PEPNet-Japan 事務補佐員 吉田未来 様、筑波技術大学 助教/PEPNet-Japan 事業コーディネーター 磯田恭子 様、筑波技術大学 助教/PEPNet-Japan 事務局長補佐 萩原彩子 様
(左から)筑波技術大学 技術補佐員/PEPNet-Japan 事務補佐員 吉田未来 様、
筑波技術大学 助教/PEPNet-Japan 事業コーディネーター 磯田恭子 様、
筑波技術大学 助教/PEPNet-Japan 事務局長補佐 萩原彩子 様

助成を申請した
きっかけ

オンライン授業に必要な支援を
パッケージ化

コロナ禍によるオンライン授業が増える中で、今まで行ってきた聴覚障がい学生への支援が行き届かなくなってきたという相談が増えてきました。

聴覚障がい学生の多くはスマートフォンやタブレットなど限られた環境で授業を受講せざるを得なかったり、支援を行うボランティア学生の自宅にノートパソコンやWi-Fi環境がなかったりするなど、物理的な制約により生じる課題です。

学生の環境改善を図るため、必要な支援ノウハウと機材を「オンライン授業対応パッケージ」として貸し出し、またサポート方法をまとめた映像付きの教材を開発して、十分な情報保障を受けられる体制を用意する必要がありました。加えて、ウェブサイトのコンテンツを改修し、より利用者に役立ててもらえるようにと考えました。

助成金の種類

COVID-19・災害対応

  • ハイスペックノートパソコン(購入数:2個)

    『オンライン授業対応パッケージ』に含まれています。

  • ヘッドセット(購入数:3個)

    『オンライン授業対応パッケージ』に含まれています。

  • ノートパソコン(購入数:5個)

    『オンライン授業対応パッケージ』に含まれています。

  • ビデオカメラ(購入数:3個)

    『オンライン授業対応パッケージ』に含まれています。

  • iPad Air(購入数:5個)

    『オンライン授業対応パッケージ』に含まれています。

  • ワイヤレスヘッドセット(購入数:3個)

    『オンライン授業対応パッケージ』に含まれています。

  • モバイルルーター(購入数:3個)

    『オンライン授業対応パッケージ』に含まれています。

  • セカンドモニター(購入数:3個)

    『オンライン授業対応パッケージ』に含まれています。

導入後
期待される効果

機材の充実、
webサイトの改修と教材開発

聴覚障がい学生がスマートフォン一台で授業を受けているという実態が多いなか、ノートパソコンやモバイルモニターなどの「貸し出し機材セット」を用意することで、学生は機材を試しながら使うことができ、充実して授業が受けられるようになりました。またオンライン授業での情報保障に関する様々なノウハウをコンテンツ集としてまとめて公開することで、必要な情報をいつでも参照・閲覧していただけるようになりました。

全国的なオンライン授業導入直後から公開していたウェブサイト『オンライン授業での情報保障に関するコンテンツ集』は立場別、目的別で見たい情報のキーワードで検索できるように改修し、必要な情報にアクセスしやすくなりました。

更にコンテンツのなかでどの情報を参照すればよいのかわからない人に向けて、各コンテンツを紹介する動画を作成することで、必要な情報がより一層得やすくなりました。

さらにオンライン授業の導入により困難さが増していることがうかがえたグループ活動への参加場面を取り上げ、ディスカッションに参加する聴覚障がい学生の視線を再現して解説した映像教材「『参加の保障』を考える」と、教職員が聴覚障がい学生から、オンラインやメールを介してどのように必要な支援方法について引き出すべきかを解説した映像教材「『建設的対話』を考えよう」を開発しました。

対話例や模擬的なディスカッション場面の映像教材と、副読本(解説書)を開発しました。
対話例や模擬的なディスカッション場面の映像教材と、
副読本(解説書)を開発しました。

これらの教材を通して、教職員や全ての学生が気付きを得て、行動に移せるようになることを期待します。

リニューアルされたウェブサイトのトップページ。

オンライン授業での情報保障に関するコンテンツ集

導入してみて
わかったこと

ハードルを越えて
次のステップへとつながる

 機材は一般的に販売されているもの、購入しやすい価格帯、かつ十分なスペックがある使いやすいものを選定しました。

その理由は大学が購入する際に予算内で無理なく揃えられるようにと考えたからです。機材の貸出はあくまで初動時の支援として期限を設けており、その後は可能な限り大学でご用意頂くように促しています。このような運用が各大学の設備の充実に繋がると考えています。

また障がい学生を支えるボランティア学生、特にネットワーク環境が整っていないため支援活動に参加できずにいた学生に対しては、モバイルルーターも貸出機材として整備しました。その結果円滑に支援が行えただけでなく、ボランティア学生の支援活動を継続する気持ちの維持にも繋がったこともあり、今後ボランティア学生が増える契機にもなればと願っています。

今回の助成で配備した機材や開発した教材が、コロナ禍であっても聴覚障がい学生の情報保障を実現し、直接的な支援に繋がったことは言うまでもありません。教材で取り上げた聴覚障がい学生の参加や対話は、情報保障の整備とあわせて支援の必要な要素であり、加えてホームページの改修・コンテンツ整備も、現在のコロナ禍で多くの困難と直面している聴覚障がい学生たちを受け入れて修学環境向上をサポートする教職員への、更なる意識醸成や理解啓発に繋がる大変有意義なものとなりました。

筑波技術大学 様とのインタビューはオンラインで行われました。
インタビューはオンラインで行われました。