活動事例

児童・青少年に対する IT教育の支援事業

実施報告:
いわぬまプログラミング教室

プログラミングワークショップを岩沼市で開催

主幹兼係長
佐賀 雄幸
(さが ゆうこう)

2019年11月2日「児童・青少年に対するIT教育の支援事業」の一貫として宮城県岩沼市教育委員会主催で「いわぬまプログラミング教室」を開催し、市内にある4つの小学校から34名の児童が集まりました。プログラミング教室での子ども達の様子や裏話について生涯学習課 佐賀 雄幸様にお話を伺いました。

岩沼市の紹介

宮城県岩沼市教育委員会

阿武隈川の河口に位置する岩沼市は、奥州街道と陸前浜街道の分岐点の宿駅で、古くから栄えた宿場でした。西側は丘陵地帯、東側には平坦な沖積平野。宮城県の南部に位置し、仙台市の中心部から18kmのところに位置するが岩沼市です。

宮城県には「教科指導におけるICT活用」を段階的・発展的に着実に進める「MIYAGI Style」という考え方があります。MIYAGI Styleには宮城県からの提案という意味だけではなく「児童生徒のためのICTによる授業改善」という意味も込められています。

MIYAGI Styleで推奨されている「miyagiTouch」という電子黒板アプリは、岩沼市の小学校の先生方のアイデアから生まれたものです。

ワークショップの
進め方

はじめまして。
ITってなあに?

会場に集まった学校も学年も違う子ども達。中には見学エリアにいる保護者から離れて、少し不安そうな表情を浮かべている子もいました。

4~5人のグループに分かれて座り、まずは名札作りからスタートです。呼んでほしい名前や絵を書いて名札を完成させます。緊張感をほぐすことがねらいです。

写真:
プログラミングワークショップの様子

グループには子ども達の活動を支援する財団スタッフが1人付き、答えを教えるのではなく一緒に考え、本人が解決できるようなヒントを与えるように心がけていただきました。

使用する
プログラム

ビジュアルプログラミング環境
PYONKEE (ピョンキー)

ワークショップは、小学4~6年生を対象に、1人1台のタブレット端末とビジュアルプログラミング環境(ピョンキー)を使って、自分だけの物語をつくる2時間半のワークショップです。

2017年からワークショップを開催していますが、 当初、時間が長くないか心配だったのですが、子ども達が集中して活動出来ることがわかり時間を変えずに実施しています。

写真:
出来上がった作品を発表し、苦労した点や工夫した点をみんなに共有します。

ITに触れて
楽しむ

プログラミングに出会う場所

ワークショップの冒頭、ITが自分たちの身近なところで生活を便利にしていることについて説明があり、ITに詳しい財団の方の説明に子ども達が聞き入る様子が印象的でした。続いてタブレットを使って物語を作るための練習に入ります。「動きを支持するブロックを使って動かしてみましょう」と促すと、子ども達はすぐに「動いた!」と反応していました。

タブレットを使う経験はさまざまですが、初めてプログラミングに出会う場として子ども達が実際に機材に触れ楽しめるワークショップだと思います。

また、見学エリアから子ども達の様子を見守る保護者にもタブレットを渡して同時に体験してもらいました。実は私たち教育委員会の職員も一緒にタブレットを操作して物語作りをしてみましたが、子ども達の発想力や柔軟性、習得の速さに、保護者とともに驚かされました。

写真:
タブレットに手に記念撮影

発表会で
締めくくり

トライ&エラーを大切に
何度でもチャレンジしつづけて

最後の30分間は、子ども達が出来上がった作品を発表し、苦労した点や工夫した点をみんなで共有します。 「はじめは難しいと思ったけど、やっていたらおもしろくて、あっという間にできて楽しかったです」 と感想を話していました。

保護者からは、いつもは集中力の続かないわが子が集中している姿を見て「うちの子、ちゃんと集中できるんだ」という驚きの声や 「このような教室を通して、岩沼の子ども達が時代の最先端を進むことを期待しています」 という声がありました。プログラミング教室は子どもの新たな一面を発見できる場であり、そして保護者からワークショップ継続に期待を寄せていただいていることを実感しました。

この日、うれしい再会がありました。以前ワークショップに参加してくれた子どもが、偶然会場に訪れていたのです。その時のことを懐かしみながら、少しの間ワークショップに参加してくれました。継続してワークショップを開催しているからこその素敵な出来事だと思います。

このワークショップを通して、いろいろな仕事があることを知り、プログラミングに触れることが子ども達の視野を広げるきっかけになればと思っています。

写真:インタビュー中の4分割された場面に、佐賀様と財団関係者3名が映っている
インタビューはオンラインで行われました。