活動事例

児童・青少年に対する IT教育の支援事業

実施報告:中学1・2年生向けプログラミング教材としての可能性

中学校の夏期講習で
プログラミング入門

中学1年生担任
長谷川 純一
(はせがわ じゅんいち)

小学5、6年生を対象にしたプログラミング教材を中学校の夏期講習で使ってみたいとのお申し出をいただきました。カリタス女子中学高等学校の長谷川純一(はせがわ じゅんいち)先生に、実際の生徒達の反応と授業の様子を伺いました。

中学校の紹介

カリタス女子中学高等学校

カリタス女子中学高等学校は神奈川県川崎市にある中学校で、登戸駅と中野島駅との間に幼稚園から高等学校までのキャンパスがあります。
「カリタス」とは、ラテン語で「愛」を意味する言葉で、カナダのケベック州にある修道女会のシスターにより設立されました。「祈る心」「学ぶ心」「交わる心」「奉仕の心」という豊かな人間性を育む「4つの心」を、すべての教育活動を通じて子どもたちに伝えています。

貸出教材を
申し込んだ
きっかけ

出会いは
『New Education Expo 2022』

世の中はどうなっているのか、ほかの学校はどうやって新しいことを取り入れているのかを知り、未来の教育を考えるために『New Education Expo(NEE) 2022』を訪れました。

そこで出会ったのが、CTC未来財団のプログラミング教育教材の貸し出し事業です。仕組みが面白そうで、生徒達に取り組ませたいと思いましたが、小学5、6年生向けとあったため、「中学生でも大丈夫ですか」とその場で直接確認をしました。

こういう教材はたいてい有料販売、有料貸出なので、無料で貸してもらえることはすごくありがたかったです。情報科の先生と相談し、夏期講習のプログラミング入門に利用してみることにしました。

写真:
夏期講習に参加した生徒達は
中学1年生30名、中学2年生4名です。

貸し出し教材は
どんな教材?

みんなでチャレンジ!ITエンジニア

教材について詳しく見る 別ウインドウで開きます

中学1、2年生
35名ほどが参加

夏期講習の
プログラミング入門

夏期講習は事前登録制で、さまざまな講座がある中でこの授業に参加した生徒達は中学1年生30名、中学2年生4名です。45分 × 3日間の講習のうち、2日間をこの教材に充ててプログラミング的思考を学びました。

写真:教室での夏期講習の様子

生徒達は「なにをするのかな」とワクワクしながら話を聞いてくれました。小学生向けの教材なので一日のみの講習と考えていましたが、自主的に思考を深める姿やグループで積極的に話し合うなど、生徒の反応が良かったので急遽2日目も授業を行いました。

実際に授業を
やってみて

答えがないのが良い

配送トラックを模したトラックロボットに実際に触れて、地図上で動く様子が見られるのは、学びと面白さの両方があったと思います。生徒達は普段タブレットを使用して授業を受けていますが、授業用ソフトウェアでは得られない教材の価値があったと思います。

「時間がかかるから、できるだけ曲がらないようにしよう」とか「同じ道を往復しないように」とか、私の思い付かないアイデアで、生徒達は工夫し掘り下げていました。

3~4名のグループで出来上がったコースを発表しましたが、全てのグループで答えが違っていました。時間が短いから最適解なのではなく、自分たちが出した答えそれぞれが正解なのだという点が良かったです。

写真:
タブレットやソフトウェアでは得られない教材の価値。

体験を通して
世の中とつながる

世の中とつながる教材

生徒達は、これが小学生向けの教材だとは思わなかったと思います。小学生には小学生なりの考えややり方があると思いますが、中学1年生でもそれぞれの掘り下げ方があり、今のままで十分使える教材でした。

今回の教材はゲームではなく、実際に世の中で行われている配達プログラムなので、世の中とつながっていることがイメージできる有意義な授業でした。教室だけで完結してしまう内容ではなく、「世の中には経路を最適化する仕事がある」という広がりが体験を通して中学生に伝わっていたと思います。

生徒達は未来を生きていくわけで、こういう勉強ができて良かったと将来思ってもらえる学校でありたいです。

写真:インタビュー中の5分割された画面に、長谷川様と財団関係者4名が映っている
インタビューはオンラインで行われました。


プログラミング教育教材の
貸し出しについて