活動事例

児童・青少年に対する IT教育の支援事業

実施報告:
小2から小6までのプログラミング貸出教材の実施例

少人数校でのプログラミング授業の進め方

5年生担任
河津 さち子
(かわづ さちこ)

全校児童8人の甲賀市立多羅尾小学校が、プログラミング貸出教材を利用されました。小学2年生から6年生の児童に授業を行った河津 さち子(かわづ さちこ)先生に、子ども達の反応と感想についてお話を伺いました。

小学校の紹介

甲賀市立多羅尾小学校

甲賀市立多羅尾(こうかしりつたらお)小学校は、滋賀県南部に位置し、周囲を山に囲まれた静かな環境にある小学校です。少人数校であるからこそ、個に応じた学習指導を大切にしています。総合的な学習として30年以上にわたりオペレッタ(音楽劇)に取り組んでいるのが特長です。

写真:
甲賀市信楽町の最南端に位置する美しい自然に囲まれた学校です。

少人数校
ならではの
進め方

良い経験になるのでは

児童は6年生1人、5年生1人、4年生4人、2年生2人の計8人です。児童全員が多目的ホールに集まり、貸出教材を使った授業を行いました。本教材を授業で利用するかクラブ活動で利用するか、最初に悩みましたが、2年生のうちからプログラミングの授業を受けることは良い経験になるのではと思い、一斉授業で行うことにしました。

一斉授業については、5年生担任の私が授業進行を行い、ほかの学年担任の教師3人が児童の支援に入る形をとり、それぞれの学年にあった授業支援ができるように工夫しました。

貸し出し教材は
どんな教材?

みんなでチャレンジ!ITエンジニア

教材について詳しく見る別ウインドウで開きます

実際に授業を
やってみて

ひとり一台、ロボットを使用

通常は地図とセンサーロボットがセットになっている教材一式を児童3~5名のグループで使用するという指導案でしたが、本校では児童一人に教材一式を配り、一人で学習する方法をとりました。

児童同士でいろいろな考えを聞いたり相談したりはできませんが、自分のやりたいようにでき、純粋に教材と向き合うことができていました。

写真:
ひとり一台、貸出教材と向き合う子ども達

2年生は、2時間(45分2コマ)の授業内容を1時間のみとし、地図上にシールを貼ってセンサーロボットに動く方向の指示を出すことを楽しむところまでを行いました。「このシールを貼るとどっちに進んだ?」と質問すると、「こっちだ!」と答え、2年生も、センサーロボットが動く仕組みを理解し十分に楽しんでいました。

写真:
2限目の発表の様子

教材については、センサーロボットに進行方向を指示するシールは何度も貼ったりはがしたりができるもので、思考を重ねやすく、画期的に作られていると思いました。ワークシートも使いやすく、子ども達が自分の考えた配達ルートや配達にかかった時間を記入して発表がしやすいものでした。

写真:河津 さち子 様
お話しから子ども達の様子が伝わってきました。

貸出教材に
対する評価

学年ごとに目指すゴールは異なるが
それぞれに学びがある

6年生はルートを見つける段階から効率よく配達できるルートを考えることをポイントにしました。自分達を取り巻く社会への理解が進んでいて配達には効率が大事とわかっており、『早く効率よく』を目標に楽しんでいました。5年生は社会科の輸送の単元に基づいた授業内容とし、世の中の輸送の仕組みを意識しながらコースを考えていました。

4年生はたくさんの道をぐるぐる回るルートをたくさん見つけることをゴールとしました。複雑なルートを見つけては「こんな行き方を考え出したよ」と教えてくれました。

2年生は『シールを的確に貼ってスタート地点からゴールまで戻れるか』を目指しました。ゴールできたらルートの変更はせず、「もう一回やってみよう」と繰り返していました。

写真:
『仮説を立てて検証して確かめる』というプログラミング的思考を実感

授業終了後も教材の返却日まで、自由に使えるようにしておいたので、子ども達は休み時間に取り出して使っていました。

貸出教材の授業後、私が担任をしている5年生は普段の授業の中で「あ、この間やったあれやな、トライ&エラーやな」と、貸出教材を使った授業で出てきた言葉を言いながら『仮説を立てて検証して確かめる』という流れで考える姿が見られるようになりました。

写真:インタビュー中の5分割された画面に、河津様と5名が映っている
インタビューはオンラインで行われました。


プログラミング教育教材の貸し出しについて